井の頭恩賜公園のあゆみ|33話 |祝 井の頭恩賜公園100周年!

『いのきちさん34号 2017年5・6月号』 連載《井の頭恩賜公園のあゆみ 33話》

公園は、過去からの贈り物

あなたにとって、井の頭公園はどんな存在ですか。
そして、どんな気持ちで100周年を迎えていますか。
きっとお一人お一人、それぞれの物語が心にあり、彩り豊かな思いがあることと想像します。

吉祥寺の街と住宅地に囲まれた公園は、都市空間に残された水と緑の孤島のようです。
穏やかな池の水面と木々の葉のさざめきが心を癒し、生きる力を養ってくれる包容力豊かな場所です。

いつもは歴史のエピソードをお伝えする連載「井の頭恩賜公園の歩み」、今回は拡大版の年表です。
たくさんの人たちの思いや尽力によって受け継がれてきた公園の足跡を、辿ってみましょう。

祝 井の頭恩賜公園100周年!

公園になるずっと前から、名所だった井の頭弁財天

徳川家康が幕府を開いてから、江戸の人口は爆発的に増え、水不足が大問題になりました。そして、井の頭池を源とする川を水道として整備したのが「神田上水」です。

この辺りは江戸幕府の「お鷹場」で、家康や家光も狩猟に訪れたと伝えられます。「家康が関東随一の名水だと褒めてお茶をいれた」、「家光が畔にあったコブシの木片に小柄で『井之頭』と彫った」という伝説も。弁天堂は、江戸近郊の名所として知られていました。

公園が開園するまで

1882年(明治15年) 水源涵養に、千本の杉を池周囲に植樹。

1889年(明治22年) 池周辺一帯が、宮内庁管轄の御料林に。

1910年(明治43年) 井の頭公園の計画案、東京市会に提出。

1905年(明治38年) 小石川の東京市養育院の不良少年施設が、御殿山に移転され『井之頭学校』に。

1913年(大正2年) 宮内省が、御殿山御料地を東京市に公園地として下賜。

1917年(大正6年) 井の頭恩賜公園開園。もともとある植物が生かされ、杉木立の美しさが評判に。

来園者が増加。施設も充実。

1919年(大正8年) 麹町小学校の松本虎雄先生が、玉川上水で溺れた生徒を助けようとして殉教。

1921年(大正10年) 池の一部に飛込み台の設置された水泳場が開設。東京市営公園のプール第1号。

1922年(大正11年) 池の中央に「中の橋(現・七井橋)」が完成。

弁天堂が火事で焼失!

1923年(大正12年) ●関東大震災。

1924年(大正13年) 4月26日の火事で、家光の時代に建てられたと伝えられる弁天堂が焼失。1927年(昭和2年)に再建。

公園も地域もますます発展

1929年(昭和4年) ボート場開設。

1933年(昭和8年) 弁天橋の南側に25mプール開設。帝都電鉄井の頭線、井の頭駅まで開通。

1934年(昭和9年) 中之島小動物公園が開園。帝都電鉄井の頭線、吉祥寺駅まで開通。

1936年(昭和11年) 中之島に水生物館開館。中之島にラクウショウ植樹。●日中戦争開戦

1939年(昭和14年) 「井之頭学校」が萩山に移転。

戦争の時代、変容した公園

1941年(昭和16年) 自然文化園の計画案が市会で通る。●太平洋戦争開戦

1942年(昭和17年) 自然文化園開園。●日本本土に初空襲

1943年(昭和18年) 都制となり、公園の運営が直轄に。

1944年(昭和19年) 池畔の杉1万5千本、お棺用に伐採。●近隣の中島飛行機武蔵製作所に初の空襲

1945年(昭和20年) 中之島に空襲の焼夷弾が落下、熱帯魚が全滅。●広島・長崎に原爆、終戦

再び、人々の憩いの場に

1950年(昭和25年) 象のはな子が移動動物園で初来園。

1952年(昭和27年) 自然文化園内に北村西望のアトリエ建設。長崎の平和祈念像の制作開始。

1953年(昭和28年) 橋の架け替えで、旧「中の橋」が一般公募で「七井橋」と命名。

1954年(昭和29年) 上野動物園から象のはな子が移住。「井の頭カーニバル」開催、「ミス井の頭」も開催。

1956年(昭和31年) 池の北側に野外ステージ完成。

1962年(昭和37年) 西側台地で縄文時代の竪穴式住居跡発掘。

1963年(昭和38年) 井の頭池大渇水。

広がる文化事業や環境活動

1990年(平成2年) 第一回「三鷹国際フェスティバル」、西園で開催。

2001年(平成13年) 三鷹の森ジブリ美術館開館。

2003年(平成15年) 玉川上水が国の史跡に指定。

2006年(平成18年) 「アートマーケッツ」開始。「井の頭恩賜公園100年実行委員会」発足。

2007年(平成19年) 「エサやり自粛キャンペーン」が市民団体を中心にスタート。

2008年(平成19年) 「井の頭公園*まるごとガイドブック」発行。

2011年(平成23年) フリーペーパー「いのきちさん」発刊。

2012年(平成24年) 第一回「井の頭公園検定(通称いのけん)」実施。

2013年(平成25年) 巳年4月の大例祭で弁財天御開帳。宇賀神象、弁天堂脇に移設。

かいぼりに、市民の力が集結!

2013年(平成25年)
井の頭池の水を浄化し、在来生物が棲みやすい生態系の回復を目指し、100周年までに3回計画された「かいぼり」。第一回目が翌年春にかけて実施。市民と行政がタグを組んだ「井の頭外来生物問題協議会」を中心に、公募で集まった研修付きボランティア「井の頭かいぼり隊」に多くの市民が参加。

2015年(平成27年) 第二回目の「かいぼり27」実施。

2016年(平成28年) 絶滅したと考えられていた水草「イノカシラフラスコモ」が池底で発芽。象のはな子が自然文化園で永眠。

2017年(平成29年) 井の頭恩賜公園開園100周年。

※『いのきちさん』は株式会社文伸さんが2011年11・12月号から2017年11・12月号まで、井の頭恩賜公園100周年カウントダウン新聞として発行していたフリーペーパーです。井の頭公園の歴史について合同会社いとへんの安田知代が寄稿した記事を、こちらのブログに掲載しています。

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