井の頭恩賜公園のあゆみ|35話 |100周年で新刊続々

『いのきちさん36号 2017年9・10月号』 連載《井の頭恩賜公園のあゆみ 35話》

井の頭恩賜公園開園から百年となる今年は、記念式典をはじめ、公園にまつわる展示・講演会などが相次いで開催されています。
そして、公園の歴史と現在を俯瞰してまとめられた興味深い出版物も、数々発行されています。手に取って、ご自身の視点と感性で公園を深堀りしてみてはいかがですか。

出版物も続々の100周年。あなたのトリビアを発見しよう!

5月の100周年記念式典に合わせて出版された「井の頭公園100年写真集」、もうご覧になりましたか? 井の頭公園に親しむ人なら、「へーっ!」「うわーっ!」と思わず声をあげてしまう「お宝」が盛りだくさんの一冊です。

私は2008年に「井の頭公園*まるごとガイドブック」(ぶんしん出版)を発行するまで、多くの資料に当たって調べたり、写真や絵図をあちこちで探したりして約2年を費やしましたが、その間に出会えなかった写真や絵葉書も豊富に編纂されていて、ためつすがめつ眺めて飽きません。

特に「やっと見られた!」と心震えた写真を3つ挙げるなら、カルピスの喫茶店「カピー」と、遊覧船「ななゐ」と、戦時中の杉の大量伐採のシーンです。
見ると、さらに想像力が刺激されます。みなさんのベスト3は、どれでしょうか。

これまで人目に触れず眠っていた写真や絵葉書などの提供元は、関連機関をはじめ、地元の明星学園や地域の方々など数多く、編集作業はさぞや煩さだったことでしょう。
編集・発行を一貫して実現した株式会社文伸の川井信良社長と担当の宮川和久さんの、熱い思いがあってこその大仕事です。A4版の写真集では、貴重な写真は見開きA3版で贅沢に眺めることができます。

100周年を機に、公益財団法人東京都公園協会から、広報誌「緑と水のひろば」と季刊誌「都市公園」の特集と、「井の頭恩賜公園学」という記念誌も発行されています。
関連機関の担当者や専門家の概論などの多様なアプローチに触れ、視野が広げられます。

「これまで」を振り返り、「これから」を展望する100周年に、グンと厚みを増している井の頭の郷土史。地元でさらに深めていきたいですね。

※上の写真:左から、「井の頭公園100年写真集」(ぶんしん出版)、「緑と水のひろば第87号」、「都市公園第216号」、「井の頭恩賜公園学」(以上3点:公益財団法人 東京都公園協会)

※『いのきちさん』は株式会社文伸さんが2011年11・12月号から2017年11・12月号まで、井の頭恩賜公園100周年カウントダウン新聞として発行していたフリーペーパーです。井の頭公園の歴史について合同会社いとへんの安田知代が寄稿した記事を、こちらのブログに掲載しています。

安田 知代

安田 知代合同会社いとへん 共同代表

投稿者の過去記事

長年、フリーの編集者・ライターとして活動後、2012年から仲間とともに合同会社いとへんを運営。著書『井の頭公園*まるごとガイドブック』(2008年ぶんしん出版)、『懐かしの吉祥寺 昭和29・40年』(20011年ぶんしん出版)など。郷土史の小ネタを調べるのが大好き。目下、多摩の山々の歴史を探索中。2015年末に原田病を発症し、ステロイド投薬による免疫力の低い身体と仲良くする方法を模索する日々を過ごしている。

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