マスクのプリーツが気になる

今、すごく気になっているのは、マスクのプリーツだ。

向こうから歩いてくる人がマスクをしていると、つい、まじまじと見てしまう。
そのプリーツは、上向きだろうか、下向きだろうか。
気になる。

歩いていても、電車に乗っていても、どこに行っても、マスクをしている人がいると、チェックせずにはいられない。今の季節は寒いし、インフルエンザは流行っているし、花粉は飛び始めているしで、マスクをしていない人の方がむしろ少ないくらいだから忙しくてしょうがない。

ことの発端は、マスクの付け方を検索してみたことだった。
「プリーツの山の部分が『下』方向に向くように着用します。」と書いてあるWEBサイトがいくつかあったのだ。

それまで、プリーツの向きを気にしたことなどなかった。
適当に買って、適当に使っていた。

「で、いつも私が使っているマスクのプリーツはどうなんだ?」と俄然気になり、まずはチェックしてみた。箱入り50枚を生協でまとめ買いした、これだ。

そのプリーツは、鼻に当てるワイヤー入りの上部から下降し、内側に折りたたまれるようになっている。装着すると自然に山は下に向く。下半分のプリーツは逆向きで上を向いているのが「?」だったが、まずは、一件落着。

ところが数日後、うっかりマスクを忘れて外出し、途中でコンビニに寄った。
売り場にぶら下がった数種類のパッケージに描かれたマスクのプリーツの山は、驚くことに、こともあろうに、上向きになっているではないか。大手メーカーU社の製品も然り。
もちろん買ってみた。
パッケージを開けてみた。
パッケージの写真ではプリーツが上向きで、出てきたら下向きってある?……なんてことはなかった。

しかも、上半分は上向きなのに、下半分は、プリーツが下向き。ますます混乱するではないか。

以来、さらに気になり、行き交う人のマスクまでせっせとチェックするようになったというわけだ。

マスクのプリーツの向きに「正しさ」はあるのだろうか?

あまりに気になるので、U社のホームページのお問い合わせフォームから質問してみた。
「プリーツが上向きか下向きかによって、機能的に大きな差があるのでしょうか?」と。
すると、丁寧な回答が届いた。

着用いただいた時に、より立体的にフィットするようにプリーツの向きが上半分と下半分が異なる構造になっております。
装着時により立体的にフィットすることで、より快適なつけ心地となり機能的にも呼吸が楽に行え、装着したままでも会話がしやすいという利点がございます。
また、女性の場合、口紅やメイクがつきにくいという利点もございます。

たしかに、そう言われてみると、U社のマスクはフィット感が良い(気がする)。
口とマスクの距離が微妙に広くて、息がしやすい(気がする)。
そして口紅も付きにくい(気がする)。
つけ心地の点で言えば、私が常用していたものと比べて軍配は上がった(気がする)。

でも、この丁寧な回答は、私が気になっていることには答えてくれていない気がするのだ。たぶん、質問の仕方がよくなかったのだろう。

よくよく考えてみると、プリーツの上下で私が気になっていたのは、こんなことなのかもしれなかった。
例えば、プリーツが上向きだと、上から降ってくる花粉だのホコリだの、電車で座っていて前に立っている人たちがおしゃべりしている口から出る飛沫だのを、プリーツの谷がキャッチしてしまわないだろうか、とか。

そうそう、あれはどうだろう?……と思い立ち、病院の定期検査にマスクをせずに行ってしまったときに、エントランスの自販機で買ったマスクを取り出してみた。

おやおや、プリーツは全部下向きになっているわ。
病院で売っているってことは、やはり衛生上?医学上?は、プリーツは下向きがおすすめってことなのか?

ますます気になってしまうではないか。

『暮らしの手帖』の商品テストみたいに、マスクのプリーツとつけ心地と衛生効果を比較実験したら、面白いんじゃないか。いやいや、どこかのマスクメーカーさんが、こんな私に調査を頼んでくれたらいいのに……なんて妄想したり。
でもきっと、各社メーカーさんには、すでにそんなこんなを日夜研究している人々が、たくさんいらっしゃるに違いない。

すごいぞ、マスク♡ ありがとう、マスク♡

実は、私がマスクを常用するようになったのは、2016年1月以降のことだ。
それまでは、風邪を引いたときくらいしか使っていなかった。息苦しいし、メガネが曇るし、面倒くさい物でしかなかった。
そんな私が、外出時にマスクを欠かさなくなったのは、原田病という自己免疫疾患を発症したのがきっかけだ。治療のためにステロイドという薬を相当量摂取するため、その影響で免疫力が低下してしまうのだ。

2015年の年末に発症し、緊急入院して大量のステロイドを点滴するパルス治療を受けた。年明けに退院したときは、1日40mgのステロイド錠剤を飲んでいた。
退院時、お医者さんに言われた注意点が、以下の3点。
◎人混みは避ける
◎不要不急の外出はしない
◎外出するならマスクを必ず着用する
その理由は、「免疫力が非常に低くなっているので、病気に感染すると重症化するリスクが高い」からである。

それから2年ちょっと経った今現在(2018年2月)、ステロイドは1日4mgまで減った。とはいえ薬局では毎回、薬剤師さんが言ってくれる。「風邪を引きやすいので気をつけて」と。

だから今も、犬の散歩で近所を歩くときも、買い物に行くときも、仕事や打ち合わせで出かけるときも、外出するときはいつもマスクを着ける。

こうしてマスクを着ける習慣が久しくなってみると、実にマスクは快適なものだと感じるようになっていることに気づく。
なんといっても、感染から守られているという安心感がある。
人がたくさん乗っている電車でも、交通量の多い道路でも、呼吸が楽にできる。
しかも顔の半分以上を、夏には紫外線から、冬には乾燥から、守ってくれる。
今となっては、なんでもっと早くマスクを愛用しなかったのか、疑問に思えるほどである。

そして、素材、形状、機能……なんと豊富な選択肢のあるマスクワールドよ!

すごいぞ、マスク! ありがとう、マスク!
こんなブログまで書いてしまったよ。

安田 知代

安田 知代合同会社いとへん 共同代表

投稿者の過去記事

長年、フリーの編集者・ライターとして活動後、2012年から仲間とともに合同会社いとへんを運営。著書『井の頭公園*まるごとガイドブック』(2008年ぶんしん出版)、『懐かしの吉祥寺 昭和29・40年』(20011年ぶんしん出版)など。郷土史の小ネタを調べるのが大好き。目下、多摩の山々の歴史を探索中。2015年末に原田病を発症し、ステロイド投薬による免疫力の低い身体と仲良くする方法を模索する日々を過ごしている。

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