原稿依頼をスムーズにするための6つのチェックポイント

「ライターさんへの記事依頼をするときの最適な頼み方が知りたいです」という質問をいただきました。
会報誌のラフ作りワークショップ」の参加者の方からです。

今回はその質問にお答えすべく、編集者・ライターとしての長年の経験を踏まえ、どんな依頼をしていただくとスムーズに原稿作成ができるか、6つのポイントにまとめてみます。

スムーズに原稿を完成させるには、目指すイメージを共有することが何よりも大切です。
目指すイメージを共有できていないと、依頼した側は「こんな出来上がり?」、書いた側は「言われた通りに書いたのに」などと、互いに不毛な気持ちを抱くことになりかねません。挙句に、書き直しやチェックの作業が増え、互いに信頼感を削ぐことになったら、とても残念です。

クオリティ高く仕上げ、お互いに「また一緒に楽しく仕事がしたい」と思えるプロセスになるよう、原稿依頼の段取りを整えましょう。

「どんな原稿を、いつまでに、いくらで」を簡潔に伝える

1.どんな媒体?

それは、どんな媒体に掲載する原稿でしょうか。
ライターといっても、いろいろな人がいます。それぞれに得意や経験も違います。
できるだけ詳しくお知らせすれば、ライターさんがその仕事のイメージを掴みやすくなります。

◎種類:会報誌、リーフレット、WEBサイトなど
◎規模:紙媒体なら発行部数、WEBサイトならサイトビュー数や登録者数など
◎発行頻度:月刊、季刊、単発、WEBサイトなら更新頻度など
◎読者層:年齢層、性別、地域などの特徴があれば
◎発行の目的:商品情報を伝えるため、お客様や会員とのコミュニケーションを深めるため、新規のお客様に配る冊子、など

2.原稿の内容は?

依頼する原稿は、何を、どんな風に読者に伝えたいのでしょうか。しっかりと伝えましょう。
ライターさんに企画や取材先などのアイディアも出してほしいなら、その旨も最初から伝えましょう。それによって、予算感も変わってきます。

◎何についての原稿か
◎媒体における、その原稿の位置づけ
◎単発の原稿なのか、連載なのか
◎専門性が問われるか、裏付け調査は必要か、など

3.文字数やスタイルは?

原稿の長さの目安となる文字数はもちろん、素材についての詳細も重要なポイントです。
プロのライターは、素材を吟味して的確に美味しい一皿に仕上げる料理人のようなものです。何も伝えずに、希望する完成品を仕立ててくれる魔術師ではありません(笑)。
最近は、WindowsとMac間でのファイルの互換性がよくなってきましたが、納品形式の希望も忘れずに伝えてください。

◎文字数:厳密な文字数なのか、800〜1200文字などゆるい枠なのか、など
◎取材する場合:取材対象は、専門家、お店の人、お客様、企業の代表、など
◎スタイル:「ですます調」か「である調」か、取材する人の発言を「 」で入れるのか地の文にするのか、など
◎参考記事:すでに掲載中のコーナーであれば過去記事、新掲載の場合は類似記事などのコピーやリンクなどがあれば
◎裏付けのない検索記事の切り貼りはNG、などの希望もあれば

4.作業範囲

依頼したいのは、純粋に文章を書く作業のみでしょうか?
取材や資料探しも、ライターさんに頼むのでしょうか?
編集作業には、「原稿作成」以外にも、文字・写真・図などのページ構成の考案、取材や資料の準備、そして最終形の手前で間違えがないか確認する校正も必要です。取材がある場合は、取材先選び、アポ取りなども必要になります。どこまでの作業を依頼するのか、最初から伝えておきましょう。

◎取材の有無
◎資料の提供の有無
◎原稿の要素:リードや見出し・囲み・注などの有無、など
◎ページレイアウトの作成の有無
◎校正:担当するかしないか、するなら何度するか

5.納期・原稿料・支払い期日は?

納期はもちろん、予算が決まっているのなら原稿料を最初からストレートに伝えましょう。
原稿料は、まさにピンキリです。もちろん高いに越したことはありませんが、不十分な予算しかない場合でも、ライターさんにとってその媒体や業種に興味があったり、取材先に行ってみたかったり、何かプラスになることがあれば、引き受けてもらえるかもしれません。

◎納期:●年●月●日●時までなど
◎納品形式:Word、Textなど
◎発行日:●年●月●日など
◎掲載誌の提供:送付予定、WEBサイトなら公開日など
◎原稿料と経費:取材や調査がある場合、交通費や資料費の負担はどちらか、消費税、源泉税について、など
◎支払い予定期日:納品日の月末、納品後に請求書発行で翌月末に振込、など

6.なぜ、そのライターさんに頼むのか?

依頼するに至ったきっかけは、何でしょうか?
誰かに紹介された、何かの機会に知り合った、ブログなどを読んで「ぜひこのライターさんに」と思った・・・など、さまざまだと思います。
そして、依頼するときは、必ずやそれをお伝えすると思います。

加えて、「あなたと一緒にやったらいいものができそう」「あなたと一緒に仕事してみたい」という思いも、伝えてみてください。
みなさんもそうだと思いますが、そんな風に誘われれば、きっとモチベーションが高まりますよね。

一つひとつの仕事は、一期一会。
ぜひ、ポジティブな依頼でスタートしてみてください!

 

 

安田 知代

安田 知代合同会社いとへん 共同代表

投稿者の過去記事

長年、フリーの編集者・ライターとして活動後、2012年から仲間とともに合同会社いとへんを運営。著書『井の頭公園*まるごとガイドブック』(2008年ぶんしん出版)、『懐かしの吉祥寺 昭和29・40年』(20011年ぶんしん出版)など。郷土史の小ネタを調べるのが大好き。目下、多摩の山々の歴史を探索中。2015年末に原田病を発症し、ステロイド投薬による免疫力の低い身体と仲良くする方法を模索する日々を過ごしている。

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